• 国税庁、平成29事務年度の法人税などの実地調査件数とともに簡易な接触の件数を公表。
  • 法人税・消費税の簡易な接触の件数は4万2千件。簡易な接触と実地調査件数を合計した納税者への接触率は4.5%に(源泉税は9.3%)。
  • 連結法人の実地調査は増加傾向。連結法人全体の実調率は11.6%に。

国税庁では、調査必要度の高い法人に対しては実地調査を実施する一方で、その他の納税者に対しては簡易な接触を行っている。簡易な接触とは、是正を目的とした実地調査以外の手法のことで、申告書の提出がない法人や申告内容に簡易な誤りなどが想定される法人に対して、書面や電話などにより申告書の自発的な見直しや提出を要請するもの。国税庁は12月3日、法人税・消費税関係や源泉所得税関係について、税務署における簡易な接触の件数を初めて公表した。

国税庁によると、平成29事務年度における法人税・消費税に関する簡易な接触の件数は42,000件であった。この簡易な接触による取組みにより、平成29事務年度では簡易な接触件数と実地調査件数を合計した法人税・消費税の観点からの納税者への接触率は「4.5%」((税務署実施の簡易な接触件数+実地調査件数)÷税務署所管法人数)であることが分かった。なお、接触率「4.5%」の内訳は、実地調査が3.1%で簡易な接触が1.4%である。また、源泉所得税関係の平成29事務年度における簡易な接触の件数は213,000件で、簡易な接触件数と実地調査件数を合計した源泉所得税の観点からの納税者への接触率は「9.3%」((簡易な接触件数+実地調査件数)÷給与所得者の源泉徴収義務者数)であった。なお、接触率「9.3%」の内訳は、実地調査が3.3%で簡易な接触が6.0%である。

平成29事務年度における法人税の実地調査の件数は98,000件(前事務年度比+0.8%)で、実地調査のうち非違があった件数は73,000件(前事務年度比+1.3%)であった。なお、法人税の実調率は「3.2%」(署所管法人3.1%・局所管法人10.2%)であり、法人税の実地調査1件あたりの平均日数は、11.3日であった。

連結法人に係る法人税の実地調査の状況をみると、実地調査件数は174件(前事務年度比+6.7%)で、過去5年間で最も高い数値となっている。実地調査件数のうち非違があった件数は167件(同+8.4%)であった。なお、連結法人に係る実調率は「11.6%」(署所管法人4.7%・局所管法人18.0%)であり、連結法人1グループに対する平均調査日数は337日であった。

(情報提供:株式会社ロータス21)