• 中企庁が事業承継マニュアルを改訂し、従業員数証明書として「被保険者縦覧照会回答票」を追加。
  • 被保険者の増減があった場合も「被保険者縦覧照会回答票」だけで証明が可能。
  • 協会けんぽに加入していた場合には、「70歳以上75歳未満の常時使用する従業員の数」を証する書類として使用することも可能。

事業承継税制については、平成31年度税制改正大綱を踏まえ、手続き等の簡素化が一部で行われているが、このほど従業員数証明書の1つとして「被保険者縦覧照会回答票」が追加された。中小企業庁では「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行規則」の改正ではなく、事業承継マニュアルにその旨を明記。運用上の取扱いとして対応している。

事業承継税制の適用を受けるには、認定経営革新等支援機関から指導及び助言を受けた日における常時使用する従業員の数を明記した書類として従業員数証明書を提出する必要がある。この点、平成31年度税制改正では、従業員数の確認に係る負担を軽減する観点から、現行の添付書類に加えて、「被保険者縦覧照会回答票」が認められることになった。

「厚生年金保険の標準報酬月額決定通知書」では、贈与等の日における常時使用する従業員の数を確認するため、標準報酬月額決定通知書発効後における被保険者の増減については、別途「被保険者資格取得(喪失)確認通知書」等によりその変動を証する必要があった。しかし、「被保険者縦覧照会回答票」では、当該事業者における被保険者の資格取得日及びこれまで被保険者であった者の喪失日等が記載されるため、贈与等の日における常時使用する従業員の数を「被保険者縦覧照会回答票」のみで証することができる。

また、「被保険者縦覧照会回答票」は、「厚生年金保険の標準報酬月額決定通知書」と同様、原則として70歳未満の常時使用する従業員の数を証する書類となるが、厚生年金の被保険者のほか、健康保険である「協会けんぽ」の被保険者も記載されるため、当該事務所が協会けんぽに加入していた場合には、「70歳以上75歳未満の常時使用する従業員の数」を証する書類として使用することもできる。ただし、「組合健保」に加入している場合については、これまでと同様、70歳以上75歳未満の常時使用する従業員の数を証するために「健康保険の標準報酬月額決定通知書」が必要となる。

(情報提供:株式会社ロータス21)