• 令和2年改正で所得税法にひとり親に対する35万円の所得控除(ひとり親控除)規定(所法81条)が新設。
  • 寡婦控除については、寡婦の定義をひとり親に該当しないものと規定したうえで、寡婦に対する27万円の所得控除(寡婦控除)を設定(所法80条)。

令和2年度税制改正では、未婚のひとり親に対する税制上の措置が講じられ、未婚のひとり親について寡婦(夫)控除を適用することとされた。現行税制は、寡婦控除または寡夫控除を適用し、寡婦控除に特別な寡婦控除(扶養親族である子があり、かつ、合計所得金額が500万円以下である場合)を設けて所得控除金額を27万円から35万円に8万円を加算している。

改正所得税法は、①寡婦(改正所得税法2条30号)の定義を見直し、②ひとり親(改正所得税法2条31号)の定義を新たに設けたうえで、寡婦の定義からひとり親を除外し、①寡婦に対しては27万円の所得控除額(改正所得税法80条)、②ひとり親に対しては35万円の所得控除額(改正所得税法81条)を設定する。

改正所得税法上、①寡婦及び②ひとり親に、それぞれ「合計所得金額が500万円以下」との要件を課すことで、両控除の適用には一律に所得制限が適用される。

ひとり親控除では、婚姻歴や性別にかかわらず、生計を一にする子(総所得金額等が48万円以下)を有する場合には、ひとり親控除(控除額35万円)が適用される。

なお、寡婦控除、ひとり親控除のいずれについても、事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる者として財務省令で定めるものがいないことが適用要件とされた。

本改正は令和2年分以後の所得税について適用する。

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(情報提供:株式会社ロータス21)