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今年10月から実施が予定される「事業承継税制」の導入に伴い、現在の法定相続分課税方式は遺産取得課税方式へと改められることになるが、導入当初は相続人によって課税方式が異なる可能性が出てきた。
これは、事業承継税制は来年の通常国会で成立後、今年10月に遡って適用されるため。事業承継とは無関係の相続人のなかには、遺産取得課税方式の適用により相続税額が増える者が出てくることが想定されるが、このような者にとって、改正法が10月に遡って適用された場合、不利益規定の不遡及の原則に反する可能性が高い。
このような事態を回避するために、事業承継とは無関係の相続人のうち遡及適用の対象となる相続人は、改正法の適用を受けるかどうか、選択制とすることなどが検討される可能性がある。
相続人によっては税負担が増加
中小企業の後継者の相続税を大幅に軽減する「事業承継税制」は、現在の法定相続分課税方式を遺産取得課税方式へと改めるものであり、相続税の仕組みを根底から変えることになる。このため、遺産取得課税方式の導入は、事業承継に係る相続人のみならず、事業承継とは無関係の相続人に対しても適用されることになる。
事業承継税制は、事業承継に係る相続人の相続税負担を軽減する一方で、事業承継とは無関係の相続人のなかには、遺産取得課税方式の導入によりかえって相続税額が増える者が出てくることが想定される。そこで問題となるのが、不利益規定の不遡及の原則だ。
憲法84条から導き出される「不利益規定の不遡及の原則」は、納税者にとって不利益、すなわち税負担を増加させる規定を後から遡って適用することを禁じるものだが、事業承継税制の導入に伴って相続税法が今年10月に遡及適用された場合、事業承継とは無関係で、相続税負担が増えることとなる相続人にとってはまさに「不利益規定の遡及適用」となる。
相続人間で異なる課税方式も
こうしたなか、当局は、「不利益規定の遡及適用には配慮する」との考えを示している。具体的な検討はこれからとなるが、たとえば、事業承継とは無関係の相続人のうち遡及適用の対象となる相続人は、遺産取得課税方式あるいは既存の法定相続分課税
方式のいずれの適用を受けるか、選択制とすることなどが検討される可能性がある。
仮にそうなれば、たとえば兄弟2人が相続人となったケースにおいて、兄のみが被相続人の事業を承継する場合、ともに相続人である兄弟間で課税方式が異なることになることも考えられる。
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