2008年12月26日
税務上、後入先出法を廃止するも7年間の所得分割を認める経過措置
債券の保有目的区分を変更しても税務上は変更せず
 

 注目されていた後入先出法の廃止に伴う税務上の取扱いが明らかになった。具体的には、会計基準と同様、税務上も後入先出法を廃止するが、経過措置として7年間で所得分割することを認めることとしている。自民・公明両党が12月12日に取りまとめた平成21年度税制改正大綱では、棚卸資産の評価方法から後入先出法を除外するが、一定の経過措置を講じる旨が明記されている。
 また、会計上、債券の保有目的区分の変更が認められることになったが、保有目的区分の変更を行っても、税務上は保有目的区分の変更を反映させないこととする旨も明らかになった。

コンバージェンスで後入先出法が廃止
 棚卸資産の評価方法の1つである後入先出法については、国際的な会計基準とのコンバージェンスの観点から平成22年4月1日以後開始する事業年度から廃止することとされている。
 後入先出法を採用する企業は少ないものの、後入先出法の廃止により、会計上、多額の在庫評価益が一度に計上される可能性があり、多額の税負担が生じる可能性が指摘されている。また、在庫評価益については、キャッシュ・フローの伴わない利益であるため、資金繰りに対する影響も及ぼす可能性がある。特に後入先出法を採用する石油会社では、その影響が大きいといわれている。

7年間は利子も課税せず
 このため、金融庁や経済産業省からは、特例措置の税制改正要望が行われていたものである。最終的には、会計上と同じく後入先出法を廃止することとしたものの、7年間の所得分割を認めることになった。
 なお、その間の利子についても課税しない方向となっている。

税務上は変更前の区分のまま
 米国発の金融危機が発端となり、わが国の会計基準を策定する企業会計基準委員会(ASBJ)は12月5日に、実務対応報告第26号「債券の保有目的区分の変更に関する当面の取扱い」を公表した。現行の取扱いとは異なり、@売買目的有価証券からその他有価証券への振替、A売買目的有価証券から満期保有目的の債券への振替、Bその他有価証券から満期保有目的の債券への振替を一定の条件のもとに認めている。
 この会計上の取扱いを受け、税務上の取扱いがどうなるのか注目されていたが、今回の税制改正では、会計上、保有目的区分の変更をしたとしても、税務上は変更を反映させないこととした。税務上は変更前の区分のままとなる。


(情報提供:株式会社ロータス21)
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