2009年1月16日
2010年度に大規模な税制改正が実施される可能性も
政府・与党の税制抜本改革案「中期プログラム」の真の意図は?
 

 政府は12月24日、税制抜本改革案を含む「持続可能な社会保障構築とその安定財源確保に向けた『中期プログラム』」(以下「中期プログラム」という)を閣議決定したが、与党間の取りまとめの過程では、言い回しを巡り紆余曲折があったようだ。公表前の原案との比較から、中期プログラムが真に意図するものを探った。

自民・公明の駆け引きの結果、強気と弱気が混在する内容に
 中期プログラムのなかで、自民党と公明党の意見がぶつかったのが、消費税率引上げ等の「税制抜本改革の道筋」(P.3〜)だ。
 原案では、税制改革のスケジュールに関し、「消費税を含む税制抜本改革を2011年度より実施できるよう、必要な法制上の措置をあらかじめ講じ、 2015年度までに段階的に行って持続可能な財政構造を確立する」と実施年度が明記されていた。しかし、公明党が実施年度の明記に難色を示し、最終的には「2011年度」の数字は残ったものの、「2015年度までに」は「2010年代半ばまでに」に変更されている。
 さらに、基礎年金国庫負担割合の2分の1への引上げや年金等の社会保障給付に必要な公費負担について、原案では「消費税を財源として」とされていたものが、「消費税を主要な財源として」に変えられているほか(P.3上部)、原案では触れられていなかった「予期せざる経済変動」により消費税率が上げられなかったケースについても、「臨時の財源を手当てすることにより」基礎年金国庫負担割合を2分の1に引き上げることを明記した(P.6下部)。
 税制抜本改革の道筋および基本的方向性を、閣議決定より上の「2009年度(平成21年度)の税制改正に関する法律の附則」において「立法上明らかにする」など、税制抜本改革への強い決意もうかがわれるものの、以上のように消費税率に関しては“逃げ腰”が目立つ言い回しとなっている。
 なお、税制抜本改革の道筋および基本的方向性を、閣議決定より上の「2009年度(平成21年度)の税制改正に関する法律の附則」により明らかにするということは、すなわち、2010年度税制改正において税制抜本改革に係る税制改正を行い、それを「2011年度〜2010年代半ば」までに段階的に施行していくということを示している。このため、2010年度はここ数年でもっとも大規模な税制改正が実施されることになる可能性がある。
 ただし、税制抜本改革の実施条件として、原案では「経済状況の好転後に速やかに実施」とされていた部分が、「好転させることを前提に」に変更されていることから、2010年度税制改正議論の際に景気が好転していなければ、2010年度改正における税制抜本改革が見送られる可能性もあろう。


(情報提供:株式会社ロータス21)
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