2009年4月3日
50%以上下落で減損処理適用の上場有価証券は税務上評価損計上可
国税庁、株価急落のなか近く見解示す方向
 

 金融危機に起因する昨年末からの株価急落を受け、今3月期決算で、会計上、上場有価証券の減損処理を検討する企業は少なくないが、このように減損会計を適用した上場有価証券について税務上も評価損を計上することについては、否認リスクを考え、積極的ではないようだ。
 こうしたなか国税庁は、時価が取得価額より50%以上下落し、会計上減損処理が適用された上場有価証券については、税務上も評価損を計上できることを明確にする方向であることが本誌の取材で明らかになった。上場有価証券の評価損の計上については法人税基本通達9−1−7で一定の基準が設けられているが、会計上減損処理を適用したケースが同通達の基準を満たすかどうかはこれまで必ずしも明確ではなかっただけに、企業にとっては大きなインパクトがありそうだ。

「30%以上50%未満」の下落なら原則評価損計上不可
 昨年末からの株価急落を受け、企業は会計上、上場有価証券の減損処理を迫られているが、税務上の評価損計上についてはためらうところが少なくない。
 その一因となっているのが、法人税基本通達の規定ぶりだ。税務上、上場有価証券の評価損の計上については、法人税基本通達9−1−7により、「当該事業年度の当該事業年度終了の時における価額がその時の帳簿価額のおおむね50%相当額を下回ることとなり、かつ、近い将来その回復が見込まれないこと」という条件が課されているが、同通達にいう「帳簿価額のおおむね50%相当額を下回ることとなり、かつ、近い将来その回復が見込まれない」という表現が曖昧(特に後半部分)であることから、企業側としては「否認」のリスクを考え、税務上の評価損計上を回避するところが多いものとみられる。
 こうしたなか国税庁は、時価が取得価額より50%以上下落し、会計上減損処理を適用した上場有価証券は、上記通達にいう「帳簿価額のおおむね50%相当額を下回ることとなり、かつ、近い将来その回復が見込まれない」ケースに該当することとなる旨を明確に示す方向だ。
 一方、会計上は、時価が取得価額より「30%以上50%未満」下落している場合においても、個々の企業が設けた合理的な基準に基づき「時価が著しく下落した」と判断した場合には減損処理を適用することが可能だが、税務ではあくまで「おおむね50%相当額」下落しているケースを対象としていることから、基本的には税務上の評価損計上はできないこととなろう(もっとも、「49%」が「おおむね50%相当額」とみられる余地はあろう)。


(情報提供:株式会社ロータス21)
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