2009年6月19日
交際費課税や留保金課税の適用に、親会社の資本金も勘案すべきとの声
現行中小法人課税は企業グループ、親子関係等の実態と矛盾?
 

 現行法人税法上、中小法人に対しては様々な課税特例が設けられているが、中小法人に該当するかどうかの判定は、当該法人の資本金の額が1億円以下であるかどうかによってのみ行われている。
 ただ、資本金の額が1億円以下であっても、大手企業グループに属していたり、大手企業の子会社であるところも多く、このような法人に対しても、大手企業グループ等に属さない中小法人同様の課税特例を適用することを疑問視する声があがっており、来年度税制改正の焦点の1つに浮上する可能性もありそうだ。

「非同族の同族」への利益連動給与適用も焦点に
 中小法人にとって有利な課税特例の代表的なものとしては、軽減税率の適用や、交際費課税の一部損金算入(年間400万円以下の交際費の90%の損金算入)があるが、これらの課税特例の適用可否はあくまで当該法人の資本金の額のみで判定されることから、たとえ大手企業グループの一員であったり、大手企業の子会社であっても、法人税法上の中小法人に該当する限り、上記課税特例の適用を受けることになる。
 逆に、中小法人に不利となる留保金課税の適用においても、大手企業の子会社等であろうと、法人税法上の中小法人に該当する限り、その適用を免れないことになる。
 ただ、大手企業の子会社等である中小法人に対し、それ以外の一般の中小法人同様に中小企業の課税特例を適用することを疑問視する声もあがっている。確かに、中小法人の税負担軽減を目的とする軽減税率や交際費課税を、大手企業と一体的に経営される子会社等に対して適用することは、その趣旨に反するとの見方もできる。こうしたなか、来年度改正においては、中小法人に対する交際費課税の緩和や軽減税率、留保金課税の適用に際して、親法人の資本金の額の規模も判定要素に加えることが検討される可能性もありそうだ。
 また、企業グループ内の法人に対する課税という文脈のなかで、やはり「実態を反映していない」との指摘があるのが、子会社に対する利益連動給与の損金算入制度の適用関係だ。同制度の適用対象からは「同族会社」が除かれているが(法法34条1項3号)、ここでいう同族会社には、同族会社でない会社の 100%子会社、いわゆる「非同族の同族」会社も含まれることから、たとえば大手持株会社の子会社などは「非同族の同族」として、同制度の適用対象外となっている。しかし、持株会社が同制度の対象となり、その実働部隊である子会社が適用対象外となることについては違和感もあることから、こちらも今後見直しの対象として浮上する可能性がありそうだ。


(情報提供:株式会社ロータス21)
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