2009年7月24日
住宅ローン控除、従業員のミスで法人に不納付加算税も
源泉徴収義務者の法人に支払義務が発生
 

 最近、従業員の住宅ローン控除を巡り、法人側に不納付加算税が課される事例が散見されるようだ。
 通常、給与所得者(従業員)が住宅ローン控除の適用を受ける場合には、年末調整の際に所定の書類を勤務先に提出することになるが、仮に従業員のミスによって控除額が過大となった場合には、源泉徴収者である法人に対して不納付加算税が課される仕組みとなっている。平成21年度税制改正で住宅ローン控除の大幅な拡充が実施されたことなどをきっかけに、今後は住宅ローン控除の適用件数が増加していくことが予想されるだけに、注意が必要だろう。

確定申告は適用1年目のみ、2年目からは年末調整で可
 給与所得者(従業員)が所得税について住宅ローン控除の適用を受けるためには、適用1年目においては自ら確定申告を行う必要があるが、適用2年目以降は、年末調整の際、給与支払者に「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」など所定の書類を提出することにより、同控除の適用を受けることができる仕組みとなっている。
 住宅ローン控除というと、個人の所得税のイメージが強いことから、法人にとってあまり関心は高くない。しかし最近、従業員のミスにより住宅ローン控除の控除額が過大となり、法人に不納付加算税が課される事例がみられるようなので注意が必要だ。
 法人にとってみると、住宅ローン控除の適用2年目以降は、従業員のために住宅ローン控除の手続を代行している形となることから、法人に不納付加算税が課されることに違和感を持つ向きもあろう。しかし、税法上、従業員のミスにより住宅ローン控除の控除額が過大となってしまった場合であっても、源泉徴収義務者である会社に不納付加算税の支払義務が発生することになっている点、留意しなければならない。

従業員数が多い大企業では大きな事務負担につながる可能性も
 平成21年度税制改正では住宅ローン控除が大幅に拡充され、10年間の控除額が最大600万円まで引き上げられている。この住宅ローン控除拡充に加え、低金利と地価下落により、このところ住宅ローンの申請件数は増加傾向にある模様。これは、法人側からみれば、今後年末調整で住宅ローン控除の手続を行う従業員が増加することを意味する。
 ただ、従業員の控除額の計算ミスを防ぐために経理部門等が検算を行うとなれば、従業員数によっては大きな事務負担となりかねない。今後は、従業員に対して、住宅ローン控除の仕組みについての啓蒙なども必要となりそうだ。


(情報提供:株式会社ロータス21)
back

Copyright ©2001-2010,s-tax.com. All Right Reserved.
http://www.s-tax.com