2009年11月13日
資本金10億円以下なら中小特例維持、グループ法人単体課税を選択制に
日本商工会議所、政府税調のヒアリングで主張
 

 自民党政権時代から検討されてきたいわゆる「グループ法人税制」が経済産業省や金融庁の平成22年度税制改正要望に盛り込まれ、実現に向け大きく前進したが、その適用対象を巡っては今後大きな議論を呼ぶことになりそうだ。
 これまでの政府内の議論を踏まえると、すべてのグループ法人が同税制の適用対象になるものと考えられていたが、ここにきて日本商工会議所が「親会社が資本金1億円超10億円以下の企業の場合は、子会社の中小特例を維持すべき」等の強い要望を示したことで、適用対象が絞り込まれる可能性が出てきた。

導入そのものは否定せず
 民主党政権下では、自民党時代の「部会要望」に相当するものがなくなったことから、税制改正の実現に向けては、各省の税制改正要望に盛り込まれるかどうかが非常に重要な意味を持つこととなった。こうしたなか、自民党政権時代から検討されてきたグループ法人単体課税制度等いわゆる「グループ法人税制」は、経済産業省や金融庁の平成22年度税制改正要望に盛り込まれたことで、実現に向け大きく前進したといえよう。
 ただ、その適用対象を巡っては、今後大きな議論を呼ぶことになりそうだ。政府の「資本に関係する取引等に係る税制についての勉強会」が示した資料では、グループ法人単体課税制度について、「選択制」の連結納税制度と対比して説明されていることを踏まえると、グループ法人税制は全グループ法人を適用対象にしていると考えるのが自然だ。
 このようななか、政府税制調査会が10月27日に開催した日本経団連、日本商工会議所、連合、日本税理士会連合会の4団体を集めたヒアリングにおいて、日本商工会議所から、グループ法人税制導入に伴う中小企業の負担増に対し強い懸念が示され、@グループ法人単体課税制度は、親会社が中小・中堅規模(資本金10億円以下)の企業の場合は「選択制」とすべき、A親会社が中堅規模(資本金1億円超10億円以下)の企業の場合は、子会社の中小特例は維持すべきとの意見が出されている。
 グループ法人税制の導入について否定的な意見は出なかったことから、導入そのものに反対しているわけではないものの、中小企業の代表である日本商工会議所が適用対象の絞込みに言及したことで、中小法人の軽減税率引下げや一人オーナー課税廃止など中小企業に手厚い政策を打ち出す民主党政権として、何らかの対応が検討される可能性は高い。親会社の資本金10億円以下が適用ラインとなった場合、多くの中小企業グループが適用除外となることから、今後の議論の行方が注目されるところだ。


(情報提供:株式会社ロータス21)
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