2009年12月4日
タックスヘイブン税制の改正で子会社の資産性所得への付替え封じ
税制改正要望にない措置が政府税調で急浮上
 

 タックスヘイブン税制の適用除外基準を満たす外国子会社に資産性所得を付け替える租税回避行為の防止策導入が、政府税制調査会で急浮上した。
 資産性所得への付替えによる租税回避はかねてから問題視されてきたところだが、ここまで各省の税制改正要望にも盛り込まれておらず、政府税制調査会において初めて出た論点。これまでノーマークだったものの、事務レベルでの検討はかなり進んでいると想定されるだけに、関係者にあっては要チェックといえる。

事業持株会社・物流統括会社の適用除外、トリガー税率引下げも実現へ
 現行のタックスヘイブン税制では、事業基準、実体基準、管理支配基準、所在地国基準、非関連者基準という要件をすべて満たす場合には、同税制の適用除外となる。
 仮に子会社がこの適用除外基準を満たしている場合には、子会社の所得は一切合算されないことから、一部では、当該子会社に株式や債券の保有等により得られる資産性所得を付け替える行為がみられるところだ。
 このような行為については課税当局も問題視してきたところだが、現行タックスヘイブン税制の法形式上は問題ないだけに、対応したくてもできなかったのが実情だ。
 こうしたなか、11月18日に開催された政府税制調査会では、この資産性所得の子会社への付替えを防止する措置を導入する案が急浮上している。この措置については、各省からの税制改正要望にも入っておらず、今回初めて出てきた項目。ただ、政府税調に提出された資料 (http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/pdf/21zen8kai14.pdf)にも盛り込まれたことを踏まえると、事務レベルでは検討が進んでいるものと想定され、22年度税制改正で実現する公算は高いだけに、要チェックといえよう。
 平成22年度税制改正におけるこのほかのタックスヘイブン税制に関する見直し事項としては、@企業活動のグローバル化に伴う企業活動の実態を踏まえたタックスヘイブン税制の適用除外基準の見直し(地域の関連会社を統括する会社(事業持株会社・物流統括会社)がタックスヘイブン税制の対象とならない措置の導入)、A日本企業の進出国において法人税率の引下げが行われてきた結果、各外国子会社の税負担率の計算や、適用除外基準を満たしていることの立証作業が負担となっていることを踏まえたトリガー税率(タックスヘイブン税制の適用対象となるかどうかの基準となる税率)の引下げ、が経済産業省から要望されているが(経済産業省の要望は http://www.cao.go.jp/zei-cho/youbou/pdf/meti/22y_meti_k_05.pdf)、こちらも政府税制調査会で議論の俎上にのぼっており、実現する方向だ。


(情報提供:株式会社ロータス21)
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