2009年12月18日
特殊支配同族会社課税の廃止、中小軽減税率引下げは見送りへ
政府税調企画委、平成23年度税制改正での検討課題に
 

 政府税制調査会(藤井裕久会長)は12月8日の企画委員会で、平成22年度税制改正での中小軽減税率の引下げ、特殊支配同族会社課税の廃止を見送り、平成23年度税制改正での検討課題とする方針を固めた。中小軽減税率引下げによる減収見込額は約1,700億円、特殊支配同族会社課税廃止での減収見込額は約700億円であり、財源不足が見送りの理由となる。

全体会合では論理面で激しい議論
 中小軽減税率の引下げ(18%→11%)、特殊支配同族会社課税の廃止は、民主党マニフェストに盛り込まれた項目だ。政府税制調査会は、平成22年度税制改正における法人課税の主要項目として議論を進めてきた。
 税調の議論では、中小軽減税率引下げについて、@各種税制上の支援措置中における税率引下げの位置付け、A中小法人の3分の2を占める欠損法人に恩恵が及ばず、高額所得の中小法人にも薄く広く減税が及ぶ、B個人事業主と同様の実態にある中小法人の税負担のバランス、C税率引下げに必要な財源は約 1,700億円であることが論点とされた。
 特殊支配同族会社課税の廃止に関しては、@オーナー給与に係る「二重控除」が復活し、個人事業主との間の税負担の不均衡が拡大、A同制度の適用を受けている法人のオーナー給与の支出額は平均約2,000万円、B廃止に必要となる財源は約700億円となることが挙げられた。
 12月2日の税調全体会合では、特殊支配同族会社課税の廃止について、マニフェスト項目であり実現すべきとする意見が大勢を占めたほか、大塚内閣府副大臣が、「所得税と法人税の論理を混同して適用しており、税の論理性の観点から認められない。一刻も早く止めていただきたい」と発言。これに対し古本財務政務官は、「自ら給与をコントロールできる立場の方について、法人段階と給与所得段階の2段階で控除できるのは、税の根幹の議論としてむしろおかしい」と反論するなど激しい議論が展開された。結局、同会合では結論には至らず、企画委員会での協議に委ねられた。

財源的な問題から見送りへ
 12月8日、藤井会長(財務大臣)、菅会長代行(国家戦略担当大臣)、原口会長代行(総務大臣)が出席した企画委員会では、中小軽減税率引下げ、特殊支配同族会社課税の廃止について、平成22年度税制改正で検討しない方針を確認。会合後の会見で峰崎財務副大臣は、「(大幅な)減収は財源的に許されない」とした。
 この2項目は、マニフェスト項目であり、平成23年度税制改正での実施の可能性も高い。その際、上記論点における制度上の議論も深められることになろう。


(情報提供:株式会社ロータス21)
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