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新しい会計基準である資産除去債務に関する会計基準が平成22年4月1日以後開始する事業年度から適用されることになる。同会計基準では、資産除去債務に対応する除去費用を関連する有形固定資産の帳簿価額に加えることになるが、現行の法人税法では、将来の有形固定資産の除去費用の損金算入は認められていない。このため、会計と税務との調整を求める声があったが、平成22年度税制改正では何ら手当てされないことがわかった。企業の事務負担も増えることになりそうだ。
国際会計基準とのコンバージェンス
資産除去債務会計基準については、国際的な会計基準とのコンバージェンスの観点から策定されたもので、平成20年3月に企業会計基準委員会(ASBJ)が企業会計基準第18号として公表した。
具体的な会計処理としては、資産除去債務(有形固定資産の取得、建設、開発または通常の使用によって生じる当該有形固定資産の除去に関わる法律上の義務およびそれに準ずるもの)については、有形固定資産の取得等によって発生した時に負債として計上することになる。その一方、資産除去債務に対応する除去費用については、資産除去債務を負債として計上した時に、当該負債の計上額と同額を、関連する有形固定資産の帳簿価額に加えることになる。資産計上された資産除去債務に対応する除去債務に対応する除去費用は、減価償却を通じて、当該有形固定資産の残存耐用年数にわたり、各期に費用配分することになる。適用は、平成22年4月1日以後開始する事業年度からとされている。
損金算入を求める声
ここで問題となるのは、将来に予定される資産除去債務に対応する除去費用の取扱いである。会計上は、有形固定資産に含めて減価償却することになるものの、税務上は、債務が確定しているとはみなされないため、損金算入することは認められていないからだ(法法22条3項、法基通2−2−12)。このため、会計上適切に計上された資産除去債務のうち、各事業年度において会計上減価償却費等として計上された金額について損金算入を求める声があったわけである。
会計と税務は分離することに
しかし、平成22年度税制改正では、何ら手当てが行われず、現行どおりの取扱いとなることが明らかとなった。 このため、有形固定資産の減価償却後の帳簿価額や償却計算については、会計上と税務上とで異なることになる。二重管理が必要になり、企業の事務負担も増えることになりそうだ。
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