• 国税庁が新型コロナFAQを一部更新。「相続財産の分割協議が成立していない場合の相続税の申告等の期限延長」を追加。

国税庁は12月17日、「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」を更新し、「相続財産の分割協議が成立していない場合の相続税の申告等の期限延長」(下記参照)を追加等した。相続財産の分割協議が成立していないときは、各相続人等が民法に規定する相続分等に従って財産を取得したものとして相続税の計算をし、申告及び納税をすることになるため、相続財産の分割協議が成立していないという理由だけでは申告期限等を延長することはできないとしている。

そのほかの更新部分は主に以前記載のあった「1 申告・納付等の期限の一律延長関係」の削除に伴う項番号の変更だが、1・問12では、新型コロナウイルスに感染していない他の相続人等は災害その他やむを得ない理由があると認められる場合を除き、その申告期限等を延長することはできない旨が追記された。また、4・問9-2では、非課税となる新型コロナウイルス感染症等の影響に関連して国等から支給される主な助成金等に「住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金」が追加された。

問13 《相続財産の分割協議が成立していない場合の相続税の申告等の期限延長》
私は、被相続人と同居していたことから、相続財産の確認は行っているものの、新型コロナウイルス感染症に関連して、他の相続人と会うことができず、相続税の申告期限までに相続財産の分割協議が成立しそうにありません。
このような理由は、国税の申告・納付等の期限の延長が認められる理由に該当しますか。

〇 相続税の申告は、相続財産が分割されていない場合であっても、相続税の申告期限までにしなければなりません。
〇 そのため、相続財産の分割協議が成立していないときは、各相続人等が民法に規定する相続分又は包括遺贈の割合に従って財産を取得したものとして相続税の計算をし、申告及び納税をすることになりますので、相続財産の分割協議が成立していないという理由だけでは、その申告期限等を延長することはできません(相続税法55条)。
〇 なお、民法に規定する相続分又は包括遺贈の割合で申告した後に、相続財産の分割が行われ、その分割に基づき計算した税額と申告した税額が異なるときは、実際に分割した財産の額に基づいて修正申告又は更正の請求をすることができます(相続税法31条1項、32条1項)。
〇 ただし、この更正の請求ができるのは、分割のあったことを知った日の翌日から4か月以内となっています。

(情報提供:株式会社ロータス21)