• 国税庁、措置法通達等を改正し、特定資産を取得する場合の圧縮記帳と税額控除との調整に係る取扱いを明らかに。

国税庁は8月10日、「租税特別措置法関係通達(法人税編)の制定について」(法令解釈通達)ほか3件の一部改正(案)を公表した(9月9日まで意見募集)。

現行、国庫補助金等の交付の目的となり、かつ、税額控除の対象にもなる特定資産を取得した事業年度の翌事業年度以降に国庫補助金等の交付を受けて圧縮記帳を適用する場合には、特定資産の取得価額から国庫補助金等の交付予定金額を控除した金額に基づき税額控除限度額等を算出することとする圧縮記帳と税額控除との調整に係る取扱いが設けられているが、この調整規定が設けられていない税額控除制度が一部には存在する(下表②参照)。

このため、今回の取扱いでは、特定資産を取得する場合の税額控除制度に共通する取扱いとして、圧縮記帳と税額控除との調整に係る取扱いを明らかにすることとしている。

具体的に、供用年度後の事業年度において圧縮記帳の適用を受ける場合には、その特定資産の取得価額から圧縮記帳の適用を受けるとしたならば損金の額に算入されることが見込まれる金額を控除した金額が、税額控除限度額等の計算の基礎となる特定資産の取得価額となるとしている。ただし、国庫補助金等の交付の条件を満たしていないため、その交付額が未だ確定していないこと等により損金算入見込額を適正に見積もることが困難である場合には、損金算入見込額ではなく、従来と同じく国庫補助金等の交付予定金額を控除することになる。

また、供用年度において圧縮記帳の適用を受ける場合には、その特定資産の取得価額から圧縮記帳の適用により損金の額に算入される金額を控除した金額が、税額控除限度額等の計算の基礎となる特定資産の取得価額となるとしている。

なお、適用は、通達等の発遣日以後に取得等したものからとされている。

(情報提供:株式会社ロータス21)