• 令和4事務年度における法人税の申告所得金額の総額は85兆106億円と、3年連続で増加し、過去最高を記録。

国税庁は11月1日に「令和4事務年度 法人税等の申告(課税)事績の概要」を公表した。令和4事務年度における法人税の申告件数は312万8,000件で、申告所得の総額は85兆106億円(対前年度比+7.0%)と3年連続で増加し、過去最高を更新した。申告税額は14兆9,099億円(同+7.1%)となっており、直近10年では最高額となった。申告所得金額が増加した要因について国税庁は、各業種において2年連続で増加している中で、特にサービス業(対個人サービス業(美容業等)、対事業所サービス業(ソフトウェア業等)、娯楽業(ゴルフ場等)を含む)、卸売業、運送業の増加額が大きく、全体の金額に影響したものであるとしている。なお、繰越欠損金控除後の黒字申告割合は36.2%(同+0.5ポイント)となっており、原則1億円以上の大企業を対象とする局調査課所管法人の黒字申告割合は65.3%、中小企業が多数を占める税務署所管法人の黒字申告割合は35.8%であった。

また、連結法人に係る申告件数は1,079件(対前年度比▲44.6%)と前事務年度より大きく減少した。ただ、その理由は、令和4年4月1日以後開始事業年度から導入されたグループ通算制度により、原則令和5年3月31日を決算日とする法人分は通算法人の申告として事績を分けたことによるものである。なお、グループ通算制度を適用した通算法人数(変更前の連結法人数)は1万8,347件となっており、申告件数は1万2,581件などとなっている(参照)。

「令和4事務年度における源泉所得税等の課税事績の概要」を見ると、源泉所得税の税額は21兆8,159億円(対前年度比+5.4%)で、前事務年度に引き続き過去最高を記録した。主な所得を見ると、給与所得の税額は12兆5,264億円(同+5.4%)、配当所得の税額は6兆827億円(同+10.5%)であった。

(情報提供:株式会社ロータス21)