• 中堅企業向け賃上げ税制は、支配企業の場合、被支配企業の従業員数との合計が1万人超で適用除外。

令和6年度税制改正では、賃上げ促進税制について適用期限を3年延長した上で、改組・強化が行われている。注目すべき点の1つが現行の大企業(資本金1億円超)のうち、常時使用する従業員数が2,000人以下の企業については、「中堅企業」として新たな枠組みが設けられたことだ。継続雇用者給与等支給額が前年度に比べて3%増加で10%の税額控除率、4%増加で25%の税額控除率が認められる。加えて教育訓練費の増加やプラチナくるみん又はえるぼし認定を受けることにより最大で35%の税額控除率を受けることができる。

ただし、この中堅企業だが、他の企業の支配権を有する企業(支配企業)であった場合、当該支配企業と支配企業による支配関係がある企業(被支配企業)の従業員数の合計が1万人を超えている場合には、適用対象から除外となる。

具体的に下記のグループ体制だったケースについてみると、まず、企業Aについては、同社と企業Aによる支配関係がある企業B~Fの従業員数の合計が1万人を超えるため、適用対象から除外される。また、企業B及びDは被支配企業であり、従業員数が2,000人以下のため適用対象となり、逆に企業E及びFについては、従業員数が2,000人超であるため、適用対象から除外される。問題は企業Cだが、同社についても、支配関係がある企業Fの従業員数と合計すると1万人超となるため、適用対象から除外となる。

(情報提供:株式会社ロータス21)