• 国税庁、平成29年7月から国際化・富裕層への対応を強化する方針。
  • 国際課税では、国際課税企画官を国税庁に設置するほか、局・署に国際税務専門官を増設。東京・大阪・名古屋の3局で試行されていた富裕層PTは、全国の国税局に拡大。

全国国税局課税(第一・第二)部長会議が国税庁で開催された(平成29年5月29日・30日)。今回の会議で議題の1つとなったのは、課税部における国際化への対応についてだ。この点に関し国税庁は、国際化・富裕層への対応については重点課題のなかでも優先度の高い課題として取り組む方針を説明した。具体的にみると、国際課税については、多税目にわたる国際課税を統括する「国際課税企画官」を平成29事務年度(平成29年7月)から国税庁に設置するほか、局・署に国際税務専門官を増設するなど機構面からの充実を図っていく。

富裕層対策については、平成27事務年度から試行的に東京・大阪・名古屋の3局で実施されてきた「富裕層PT」の取組みを平成29事務年度から全国の国税局(沖縄国税事務所を含む)に拡大する。富裕層PTは、富裕層のなかでも特に多額の資産を保有していると認められる者を重点管理富裕層としたうえで、その個人や関連する法人などを含めた管理・調査体制の充実を図るというもの。全国展開されることを踏まえ、今後国税庁が各局に富裕層PTに関する体制及びその管理を指示する予定だ。

そのほか今回の会議では、調査パフォーマンスの向上が議題となった。定員数が限られるなか、申告者数や法人の増加などにより実調率が低下傾向にあることなどを踏まえ、調査について量・質・効率性の各側面から調査パフォーマンスの向上に向けた取組みに関する議論がなされたもようだ。

(情報提供:株式会社ロータス21)