• 平成28年度の租税滞納状況、新規滞納発生割合は「1.08%」で国税庁発足以来最も低い割合に。
  • 滞納整理に係る原告訴訟154件のうち国側が敗訴した事案はゼロ件。滞納処分免脱罪では7人員を告発し、うち4人員に有罪判決。

国税庁が公表した「平成28年度租税滞納状況について」によると、平成28年度に発生した新規発生滞納額は6,221億円で昨年度より650億円(9.5%)減少し、滞納発生割合(1.08%)は国税庁発足以来最も低い割合になったことがわかった。国税庁は、納期限前後の納付指導の実施など滞納の未然防止策に努めた結果とみている。

国税庁では、滞納の未然防止策に取組む一方で、滞納の整理促進に向けた取組みも実施している。平成28年度の滞納整理済額は7,024億円で新規発生滞納額(6,221億円)を上回る結果となっている。滞納整理済額が新規発生滞納額を上回るのは18年連続である。国税庁では、通常の滞納整理の手法では処理進展が図られないような事案については、差押債権取立訴訟や詐害行為取消訴訟等の原告訴訟を提起するなど、訴訟手法を活用した滞納整理も実施している。平成28年度では158件の原告訴訟を提起。同年度に終結に至った154件のうち、国側が敗訴した事案はゼロ件であった。また、財産の隠蔽などにより国税の徴収を免れようとする悪質事案に対して国税庁は、平成28年度中に7人員(4事案)を告発。国税庁によると、7人員のうち5人員が起訴されており、公判中の1人員を除いた4人員に対して裁判所は、個人に関しては懲役10月から2年(執行猶予3年)、法人に関しては罰金40万円の有罪判決を下した。