• 小規模宅地特例に関する「家なき子特例」と「貸付事業用宅地等」の見直し、平成30年4月1日以後の相続等から適用も、税制改正法案では経過措置を手当て。
  • 平成30年3月31日において現行(見直し前)の「家なき子特例」の要件を満たした宅地等を平成32年3月31日までに相続等により取得する場合には特例の適用あり。

2月2日に国会に提出された平成30年度税制改正法案には、小規模宅地特例(措法69の4)について、「特定居住用宅地等」(減額割合80%、限度面積330㎡)に係る「家なき子特例」と「貸付事業用宅地等」(減額割合50%、限度面積200㎡)の2つの改正案が盛り込まれている。

具体的には、「家なき子特例」については、新たな要件として、相続開始前3年以内に相続税法の施行地内にあるその親族の3親等内の親族又はその親族と特別の関係のある一定の法人が所有する家屋に居住したことがないこと、相続開始時においてその親族が居住している家屋を過去に所有していたことがないことが追加されている(措法案69の4③二ロ(1)及び(2))。

また、「貸付事業用宅地等」については、その適用範囲から相続開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地等(相続開始の日まで3年を超えて引き続き一定の貸付事業を行っていた者のその貸付事業の用に供されたものを除く)が除外される(措法案69の4③四)。

税制改正法案では、この2つの小規模宅地特例に関する見直しについて、施行日(平成30年4月1日)以後に相続等により取得する措法69条の4第1項規定の宅地等に係る相続税について適用するとされているが(税制改正法案附則118①)、それぞれ経過措置が手当てされている。

具体的にみると、「家なき子特例」では、平成30年3月31日において現措法69条の4第3項二号ロに掲げる要件(相続開始前3年以内に自己又は自己の配偶者の持ち家に居住したことがないことなど)を満たした宅地等を平成32年3月31日までに相続等により取得する場合には、「家なき子特例」が適用される(見直し後の要件を満たしているものとする)とする経過措置が手当てされている(税制改正法案附則118②)。

また、「貸付事業用宅地等」では、平成30年3月31日までに貸付事業の用の供された宅地等については、特例が適用される(今回の見直しは適用されない)とする経過措置が手当てされた(税制改正法案附則118④)。

(情報提供:株式会社ロータス21)