• 令和元事務年度における法人税の申告所得金額の総額は65兆52億円と10年ぶりに減少。新型コロナの影響で昭和42事務年度の統計以降、過去3番目の減少額。
  • 繰越欠損金控除後の黒字申告割合は35.3%(対前年度比+0.6ポイント)で9年連続の上昇。

国税庁が11月5日に公表した「令和元事務年度における法人税等の申告事績の概要」(令和2年7月31日までの申告を集計)によると、令和元事務年度における法人税の申告件数は294万9,000件で、申告所得金額の総額は65兆52億円(対前年度比▲11.4%)となり、申告所得金額の総額は昭和42事務年度の統計以降で過去3番目の減少額となったことが明らかとなった。前事務年度まで9年連続で増加していたものの、大きく減少に転じたことについて国税庁は、個々の積み重ねによるものではあるが、新型コロナウイルス感染症の影響もあったのではないかとしている。また、申告税額は11兆5,546億円(同▲9.7%)だった。黒字申告割合(繰越欠損金控除後)は、35.3%(同+0.6ポイント)で上昇。また、原則として1億円以上の大企業を対象としている局調査課所管法人の黒字割合は68%、中小企業が多数を占める税務署所管法人の黒字申告割合は35.8%であった。

連結納税制度を利用する連結法人の申告件数は1,737件(同▲2.6%)で、黒字申告割合(繰越欠損金控除後)は62.1%だった。連結法人における局調査課所管法人の黒字申告割合は74.8%、税務署所管法人の黒字申告割合は51.3%となっている。

「令和元事務年度における源泉所得税等の課税事績の概要」(令和2年6月30日までの納付を集計)においては、源泉所得税等の税額は19兆2,933億円(対前年度比+0.8%)で3年連続の増加となった。このうち、主な所得についてみると、給与所得の税額は11兆4,133億円、配当所得の税額は5兆1,268億円となっている。

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