• 令和2事務年度における相互協議の発生件数は185件と2年連続で減少も依然として高水準で発生。
  • 処理件数は155件と減少。国税庁は新型コロナの影響で各国税務当局とは対面協議ができない中、電話等を活用し事案の進捗を図る。

国税庁は10月20日、「令和2事務年度の『相互協議の状況』について」を公表した。令和2事務年度の相互協議事案の発生件数は185件(前事務年度200件)と、2年連続で減少したものの依然として高水準で発生している。発生件数のうち約8割となる146件(同148件)が事前確認に係るもので占められており、残りは移転価格課税その他に係るもので39件(同52件)となっている。

また、処理件数については、新型コロナの影響により各国税務当局との対面協議を行うことができなかったこともあり、155件と前事務年度から減少している(参照)。併せて処理事案1件当たりに要した平均期間も30.3か月(前事務年度29.4か月)と前事務年度より長くなっている。事前確認は29.2か月(同30.7か月)、移転価格課税等は34.4か月(同24.9か月)だった。国税庁は、対面協議ができなかった分、電話やWEB会議システム等を活用することで協議の機会を確保し、進捗を図ったとしている。また、繰越件数は572件で、そのうち事前確認は431件、移転価格課税等は141件であった。地域別では、アジア・大洋州の336件が最多で、次いで米州の123件、欧州の113件となっている。国別では、米国(19%)、中国(17%)、インド(15%)、韓国(11%)、ドイツ(7%)の順となっている。

なお、OECD非加盟国・地域(中国、香港、インド、インドネシア、マレーシア、シンガポール、台湾、タイ、ベトナム)との相互協議発生件数は41件、処理件数は42件、繰越件数は256件となっており、全体の繰越件数の45%と約半分に迫っている。

(情報提供:株式会社ロータス21)