• 平成28年度税制改正では分割型分割の定義規定が見直し。組織再編税制創設時と同じ状態に。
  • 「現実に直接株主に対価を交付した場合でも分割型分割に該当しないのか」などの疑問踏まえ、分割対価資産を交付先を分割法人に限定していた平成18年度改正を修正。

従来の法人税法では、分割型分割における分割対価資産を「分割により“分割法人”が交付を受ける分割承継法人の株式その他の資産」と規定していたところだ。このような書き振りとなったのは、会社法上の会社分割が「物的分割」のみとなったことを受けて実施された平成18年度改正時であり、組織再編税制創設時(平成13年度税制改正)においては、分割型分割は「分割により分割承継法人の株式その他の資産が分割法人の株主等にのみ交付される場合の当該分割をいう」と定義されていた。

こうした中、平成28年度税制改正では、分割型分割の定義規定が再び見直されている。

これは、会社法で会社分割が「物的分割」のみとされたからといって、現実に直接株主に対価を交付した場合でも分割型分割に該当しないのか、また、外国で行う分割において(分割法人でない)株主に対価を交付した場合には分割型分割に該当しないのか、などの疑問が存在していたため。

組織再編税制創設時においても、特に分割型分割では株式が分割法人を経由して株主に交付されるという二段階方式になることはないのかとの疑問があり、分割対価資産の交付先を「株主等」という表現にしていたが、平成28年度改正では、「又は分割により分割対価資産の全てが分割法人の株主等に交付される場合のこれらの」という部分を追加することで、条文の中身を実質的に組織再編税制創設時に戻した形となっている。

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(情報提供:株式会社ロータス21)