• 会計士協会の実務指針第63号を移管する「法人税等会計基準(案)」の内容が固まる。
  • 「法人税等会計基準(案)」は、他の税効果会計の実務指針とは分離。先行して公開草案を公表へ。
  • 実務指針第63号から実質的な内容の変更はないため、公表日から適用。会計方針の変更にも該当せず。

企業会計基準委員会(ASBJ)は、現在、日本公認会計士協会の税効果会計に関する実務指針の移管作業を行っているが、移管の対象の1つとなっているのが監査・保証実務委員会実務指針第63号「諸税金に関する会計処理及び表示に係る監査上の取扱い」だ。この実務指針第63号について同委員会は、税効果会計に関する実務指針とは分離し、「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準(案)」(以下、「法人税等会計基準(案)」)として先行して公開草案を公表する方針であることがわかった。2か月程度意見を募集し、正式決定するとしている。

「法人税等会計基準(案)」は、法人税、地方法人税、住民税及び事業税に関する会計処理及び開示を定めるもの。会計処理としては、当事業年度の所得に対する法人税、地方法人税、住民税及び事業税については、当事業年度の所得に対して納付する法人税額、地方法人税額、住民税額及び事業税額(税務上の欠損金の繰戻しにより還付を請求する還付法人税額及び還付地方法人税額を含む)を法令に従い算定し、当該事業年度の損益に計上することとされている。

過年度の所得に対する納税額については、法人税、地方法人税、住民税及び事業税の更正等により追加で徴収される可能性が高く、当該追徴税額を合理的に見積ることができる場合には、誤謬(企業会計基準第24号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」第4項(8))に該当するときを除き、原則として当該追徴税額を損益として計上する。また、更正等により還付されることが確実に見込まれ、当該還付税額を合理的に見積ることができる場合等については、誤謬に該当するときを除き、還付税額を損益として計上することとされている。

なお、「法人税等会計基準(案)」については、監査・保証実務委員会実務指針第63号「諸税金に関する会計処理及び表示に係る監査上の取扱い」における表現の見直しや考え方の整理等を行うものであり、実質的な内容を変更しているわけでないため、公表日以後適用する。また、会計方針の変更に該当しないものとして取り扱うとしている。

(情報提供:株式会社ロータス21)