• 消費税還付申告法人に対する実地調査では、追徴税額が152億1,500万円と前年に比べてほぼ2倍に。
  • 連結法人の法人税の実地調査件数は155件で、実地調査率は9.9%。連結法人1グループ当たりの平均調査日数は309.6日。

国税庁が11月7日に公表した「平成27事務年度 法人税等の調査事績の概要」によると、法人消費税の実地調査件数は9万件(対前事務年度比-1.3%)、非違があった件数は5万2,000件(同-0.1%)と微減しているのに対し、調査による追徴税額は565億円(同+25.1%)と大幅に増加していることが分かった。要因として、①平成26年4月からの消費税5%から8%への増税により消費税額そのものが上昇したこと、②平成23年の通則法改正で、平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来する国税に関して、課税庁による増額更正期間が3年から5年に延長されたため、平成27事務年度において平成27年分からの過去5年分について増額更正、追徴課税が行われたこと等が影響した模様だ。国税庁が重点取組事項としている消費税還付申告法人に対する消費税の実地調査についても、実地調査件数は7,475件(同+0.4%)だが、追徴税額は152億1,500万円(同+97.4%)と前事務年度からほぼ倍増する結果となっている。

法人税全体の調査では、実地調査件数は9万4,000件(同-1.6%)で、このうち非違があった件数は6万9,000件(同-0.9%)。申告漏れ所得金額は8,312億円(同+1.0%)で調査による追徴税額は1,592億円(同-6.7%)となっている。また、法人税の実地調査率は3.1%で、前事務年度の3.2%から0.1%減少。実地調査の1件当たりの平均日数は11.3日となり、前事務年度の11.4日から0.1日の短縮となった。

連結法人の実地調査件数は155件(同+9.9%)で、実地調査率は9.9%。連結法人1グループ当たりの平均調査日数は309.6日であった。なお、連結法人1グループ当たりについては、平成28年6月30日現在の連結法人の親法人が1,698法人、子法人が1万1,978法人であることからすれば、親法人1社に対する子法人の平均は約7.05社となっている。

そのほか、法人税の不正発見所得金額が最も大きかった業種は、「民生用電気機械器具電球製造(家電メーカー)」で初めて1位となった。次いで「パチンコ」、「水運」と続いている。また、法人税の不正発見割合の高い業種をみると、「バー・クラブ」が66.3%と14年連続の1位。以下、「大衆酒場、小料理」の43.1%、「パチンコ」の32.7%という順になっている。

(情報提供:株式会社ロータス21)